教育格差の現状と課題ー教師ができる身近な取り組み

コミュニケーション

はじめに

 

教育格差は、子どもたちの将来に大きな影響を与える深刻な社会問題です。

家庭環境や経済状況、地域などによって教育機会に差が生じ、子どもたちの可能性を狭めてしまう現状があります。

教師は、子どもたちと直接関わる立場として、この問題にどのように向き合い、何ができるのでしょうか。

働き方改革もあるし、教師の仕事の範疇を越えて取り組むのも、僕としては違う気がします。

ここでは、教育格差の現状と課題を整理し、教師としてできることを具体的に考えてみましょう!

 

 

1. 教育格差の現状と課題ー見えにくい格差の実態

 

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教育格差は、単に学力テストの点数差だけではありません。以下のような様々な形で現れます。

経済格差による学習機会の差

塾や習い事、参考書などの教材費、進学費用など、経済的な理由で十分な、そして発展的な教育を受けられない子どもたちがいます。

 

家庭環境による学習習慣の差

家庭での学習環境や保護者のサポート体制の違いが、子どもの学習習慣や意欲に影響を与えます。ヤングケアラーという言葉も広く知られるようになってきましたね!

 

 

地域格差による教育資源の差

都市部と地方、あるいは同じ地域内でも学校間の設備や教師の質に差がある場合があります。僕は、2つの県での教員経験がありますが、隣同士なのにかなりの違いを感じます。

 

情報格差による進路選択の差

進学に関する情報やキャリア教育の機会の差が、将来の進路選択に影響を与えることがあります。

 

見えにくい格差

服装や持ち物、家庭環境など、表面からは見えにくい要因が子どもの学習意欲や自己肯定感に影響を与えている場合もあります。

これらの格差は複雑に絡み合い、子どもたちの成長に影響を与えています。

 

2. 教師としてできることー子どもたちの可能性を拓くために

 

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では、教師は、教育格差によって不利な状況にある子どもたちを支え、可能性を拓くために、どんなことができるでしょうか。

 

全ての子どもに質の高い授業を提供する

授業内での学びを充実させ、塾などに通わなくても十分な学力を身につけられるように努めることです。

個々の理解度に応じた丁寧な指導や、興味を引き出す工夫、学び方を教えることなどが重要です。

 

最近では文科省が授業時間短縮を計画しているようなので、難しくなる場合があるかもしれません。

 

 

逆に、プラスにはたらく可能性もあります。いつものように「学校や地域で工夫を」と丸投げされたら、失敗に終わる可能性が大きいと思っています。

立派なシステムや制度であっても、リソースが十分でなければ成功しないからです。一部の人の「善意」をあてにしたものでは成功し続けないのです。

 

中身は異なりますが、そのいい例が「時短勤務」です。

制度自体は、働くママ(パパ)先生に寄り添ったもので、育児退職や退職をしなくても、教員としての働き方の選択肢が増えるという素晴らしい制度だと思います。

ですが、その欠けた部分の人員がいません。補充されません。ですから、結局は同校の中から補充要員を充てなければいけません。するとどうなるか……

割り振られた職員の負担が増える⇒給料や手当がもらえるわけではない⇒不満が増える⇒やめる人も一部出てくる

 

これでは本末転倒です。

 

学習習慣の定着をサポートする

家庭学習の習慣がない子どもに対しては、宿題の出し方や家庭学習の方法を丁寧に指導し、学習習慣の定着をサポートします。家庭との連携も重要です。

 

学習意欲を高める

子どもたちの興味関心を引き出し、学ぶことの楽しさを伝えることで、学習意欲を高めます。成功体験を積み重ねられるように、個々のレベルに合わせた課題設定も大切です。

 

多様な情報を提供する

キャリア教育など、子どもたちが将来の選択肢を広げるための情報を提供します。進路相談にも積極的に応じます。これには各自治体の協力があると進んでいきます。

 

相談しやすい環境を作る

子どもたちが安心して相談できる雰囲気づくりを心がけます。些細なことでも相談できる関係性を築き、悩みや不安を抱え込ませないようにします。

 

家庭や地域との連携を深める

保護者との面談や情報交換を密に行い、家庭環境を理解するように努めます。また、地域資源を活用し、子どもたちの学習支援につなげることも有効です。

 

偏見をもたない

家庭環境や経済状況で子どもを判断するような偏見をもたず、全ての子どもを平等に尊重し、可能性を信じることが大切です。

 

見えにくい格差に気づく努力をする

子どもの服装や持ち物、言動などから、家庭環境や経済状況が見えにくい格差に気づくように努め、適切な支援につなげられるよう、アンテナを高くはることが重要です。

 

3. 教師が日々の教育活動の中でできる具体的な取り組み例ーすぐに始められること

 

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大規模な取り組みではなく、日々の授業や生徒との関わりの中で、教師一人ひとりが意識することで教育格差の緩和に貢献できることを考えてみましょう。以下に、すぐに始められる具体的な取り組み例を挙げてみます。

 

授業内での学びの質を高める工夫

導入の工夫
授業の導入で、前回の復習や日常生活との関連付けを行うことで、学習内容の定着を促し、家庭学習の差を埋めるように努めます。学習意欲にもかかわる内容ですね!

 

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多様な学習方法の導入
一斉授業だけでなく、グループワークやペアワーク、個別学習などを取り入れることで、様々な学習スタイルで多様な子どもたちに対応し、理解を深めます。

 

振り返りの時間を確保
授業の終わりに、その日の学習内容を振り返る時間を設け、理解度を確認したり、疑問点を解消したりする機会を作ります。教科書にも、振り返りいついては位置づけられています。

 

ICTの効果的な活用
ICT教材やオンラインリソースを活用することで、視覚的に分かりやすい授業を展開したり、個々の進捗に合わせた学習を提供したりします。

 

学習習慣の定着を支援する工夫

宿題の出し方を工夫
宿題の目的や取り組み方を丁寧に説明し、家庭学習の習慣づけをサポートします。無理な量の宿題を出すのではなく、短時間で集中して取り組める課題を設定します。

 

家庭学習ノートの活用
家庭学習ノートを活用し、何をどのように学習したのかを記録することで、学習習慣の可視化と定着を図ります。僕の場合ですが、スプレッドシートの共有機能を活用して、各児童が、いつ何に取り組んだかを確認できるようにしていました。

 

学習相談の機会を設ける
授業時間外に、学習に関する相談を受け付ける時間を設け、個々の学習状況に応じたアドバイスを行います。

 

学習意欲を高める工夫

興味関心に合わせた課題設定
子どもたちの興味関心に合わせて、課題やテーマを設定することで、学習意欲を高めます。

 

成功体験を積み重ねる機会を作る
小さな目標を設定し、達成することで成功体験を積み重ねられるように配慮します。

 

褒めることを意識する
結果だけでなく、努力や過程を褒めることで、内発的な動機づけを高めます。

 

相談しやすい環境づくりの工夫

声かけを意識する
授業中や休み時間などに、積極的に子どもたちに声かけをし、コミュニケーションをとります。

 

傾聴する姿勢を示す
子どもたちの話に耳を傾け、共感する姿勢を示すことで、安心して相談できる関係性を築きます。「傾聴」です!

 

個別の面談機会を設ける
定期的な面談だけでなく、必要に応じて個別の面談機会を設け、じっくりと話を聞く機会を作ります。学校体制でやるべきことでもあります。

これらの取り組みは、特別な準備や予算を必要とせず、教師・学校の意識と工夫で実践できるものです。

日々の教育活動の中で、これらの点を意識することで、教育格差の緩和に貢献できるのではないでしょうか。

 

 

まとめ

 

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最後まで読んでいただきありがとうございます。

教育格差は複雑な問題であり、教師だけで全てを解決できるわけではありません。

 

しかし、教師が子どもたち一人ひとりに寄り添い、可能性を信じ、できることを積み重ねていくことで、子どもたちの未来を拓く力になれると信じています。

 

 

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