高学年の子どもたちの
本音を知るということは、
われわれ教員にとって大きな課題です。
特に高学年、思春期に差し掛かる
子どもたちとの距離感、
どうすればいいのか悩んでいる
先生も多いのではないでしょうか?
「何を考えているのか分からない」
「話しかけても反応が薄い」
「女子グループの輪に入れない」…
子どもたちの心の壁を感じ、
どうすれば信頼関係を築けるのか、
日々頭を悩ませているとしたら、
それはとても苦しい状況です。
もし、子どもたちとの
コミュニケーション不足を
放置してしまうと、どうなるでしょう?
子どもたちの本音を知ることができず、
表面的な関係しか
築けなくなってしまうかもしれません。
授業へのモチベーションも低下し、
学級全体の雰囲気も
悪くなってしまう可能性があります。
最悪の場合、子どもたちから
「先生は私たちのことを分かってくれない」
と思われてしまい、
信頼関係を築くことが
非常に困難になってしまうかもしれません。
そんな状況は、絶対に避けたいですよね?
この記事では、
高学年の子どもたちの心に寄り添い
本音を引き出すための具体的な方法や、
日頃のコミュニケーションの
大切さについて、私の苦い経験も
踏まえながらお伝えします。
私自身、若手の頃にクラスの女子との
関係づくりに苦労し、
辛い思いをした経験があります。
あの子たちにも、きっとつらい思いを
させていただろうなと、反省しています。
振り返ってみれば、あの子たちとの
コミュニケーションがうまく
とれていなかった……
そうはっきりわかります。
だからこそ、子どもとの
コミュニケーションで悩む方の
気持ちがよく分かります。
この記事を読むことで、
高学年の子どもたちとの距離を縮め、
信頼関係を築くための
具体的なヒントを得てほしいと
思っています。
子どもたちの笑顔があふれる、
温かい学級をつくることが
できるように……
はじめに:高学年の子どもの心の変化

高学年になると
子どもたちは思春期を迎え、
心身ともに大きな変化を遂げます。
大人の目にはまだ子どもに見えても、
心の中では大人への階段を
登り始めています。
そのため、低学年の頃のように何でも
素直に話してくれるとは限りません。
プライドが高くなり、
自分の気持ちを隠そうとしたり、
大人に対して反抗的な態度を
とったりすることもあります。
高学年の本音を引き出すための3つのステップ

1. 信頼関係を築く
高学年の子どもたちの
本音を聞き出すためには、
まず教師と子どもたちの間に
信頼関係を築くことが不可欠です。
信頼関係が築ければ、
子どもたちは安心して自分の気持ちを
打ち明けられるようになります。
日々のコミュニケーションを大切にする
挨拶を交わしたり、
ちょっとした世間話をしたりするなど、
日頃から子どもたちと関わる時間を
大切にすることが重要です。
可能なら休み時間に一緒に遊ぶ
ということもよいですね!
傾聴する・共感する
子どもたちの話を遮らず、
最後まで聞く姿勢を
見せることが大切です。
実はこれができない先生が、結構多い!
途中まで聞いて、
その先を予想して
切り替えしてしまうのです。
気をつけたいですね!
また、相手の気持ちを
理解しようと努め、
「そうだったんだ」
「それはつらかったね」など、
共感の言葉を伝えることも効果的です。
一対一の時間を設ける
個別面談など、
一対一の時間を設けることで、
子どもたちはより安心して
自分の気持ちを話すことが
できることがあります。
教育相談など、学校で決められた
時間があると思いますが、
そういう時間を大切にしていきましょう。
公平な態度で接する
すべての子どもに対して平等に接し、
信頼関係を築くことは重要です。
子どもたちが「公平でない」と感じると
心を開くどころか、逆に反発したり
離れていったりしてしまいます。
先生自身がそんなこと
全く考えていなくても、
知らず知らずのうちに、
そう受け取られている場合がある
ので、注意が必要です!
2. 「問いかけ」を工夫してみる

信頼関係が築けたところで、
子どもたちの本音を聞き出すために、
問いかけを工夫してみるのもよいです。
YES,NOでない質問をする
「どう思った?」
「どんな気持ちだった?」など、
答えが一つに定まらない
質問をすることで、
自由に自分の考えを話すことができます。
思っていることを言葉にして話すことは
「技能」が必要なので、
その訓練にもなりますよ!
ただし、相手が困ってしまうようなら
YES,NOで応えられる質問に
すぐに切り替えましょう!
具体的な質問をする
「今日の授業でどこが難しかった?」
「あの問題を解くときに
どんなことを考えた?」など、
具体的な質問をしてみるのもよいです。
「なぜ?」と問いかける
子どもたちの答えに対して
「なぜそう思ったの?」と
問いかけることで、
より深い思考を促すことができます。
子どもが、自分の気持ちや
思いを整理したり、
気づいたりすることにもなります。
自分の意見を押し付けない
教師の意見を押し付けるのではなく、
子どもたちの考えを尊重し、
共感する姿勢を見せることが大切です。
教員はついついやってしまいがちです。
子どものため、と思いながら、
実は自分の思いや希望を
押し付けてしまっている場合があるので、
時々振り返ってみるとよいですね。
3. 安心できる雰囲気作り

子どもたちが安心して本音を話せる
ような雰囲気作りも重要です。
先生自身が醸し出す雰囲気もそうですし、
何を話しても「うんうん」と
聞いてくれる安心感って大きいですよね!
秘密を守る
子どもたちが打ち明けてくれたことは、
秘密を守ることが大切です。
信頼関係を裏切ることの
ないように注意しましょう。
ただ、たまに支援員さんなどで、
「子どもと約束したので話せません!」
という方がいます。
これはちがいますよね!
子どものためを思えばこそ、
担任や管理職には
話を伝えておくべきです。
その後、支援員さんから伝わったことが
分からないように別の聞き方などを
工夫すればよいのです。
否定的な言葉を使わない
子どもたちの意見を否定したり、
馬鹿にしたりするような言動は厳禁です!
ただ、
関係ができあがった状態で、
互いに「会話を楽しむ」という意味合いで
突っ込んだり少しからかったり、
ということはあり得ると思います。
褒めることを忘れない
子どもたちのよいところを見つけ、
具体的に褒めることで、
自己肯定感を高めることができます。
当たり前ということこそ、
認めていきましょう!
教室を居心地のよい空間にする
教室の掲示物やレイアウトなど、
子どもたちが心地よく過ごせる
ような工夫をしましょう。
レイアウトだけでなく、
教室の整理整頓も重要です。
子どもたちのロッカー周りや
教師用デスクの周り、
片付いていますか??
高学年の子どもの本音を聞き出す上での注意点

焦らない
子どもたちの本音を聞き出すには、
時間がかかることがあります。
焦らず、根気強く接することが大切です。
人間関係は一朝一夕では
できあがりませんよね!
完璧を求めない
子どもたちは完璧な答えを
期待しているわけではありません。
正直な気持ちを話せるように、
温かい雰囲気作りを心がけましょう。
完璧主義だと、子どもも自分も
苦しくなってしまいますよ😉
教師自身も成長する
教師自身も、子どもたちとの
関わりの中で学び、
成長していくことが大切です。
非を認めたり、知らないことは
「知らない」と言えること、
「調べてみるね」と人間らしさを
出していくことも大切です!
保護者との連携
保護者と連携し、
家庭での子どもの様子を共有することで
より深く子どもを理解することができます。
保護者にもいろんな方がいるので、
難しい家庭もあるでしょうが、
本来、
家庭、学校、地域が協力して
子どもを育てていくものですよね。
まとめ

いかがでしたか?
高学年の子どもたちの本音を
聞き出すことは、
容易なことではありません。
しかし、信頼関係を築き
適切な問いかけをし、
安心できる雰囲気作りをすることで、
子どもたちは少しずつ
心を開いてくれるはずです。
子どもたちの心の声に耳を傾け、
一人ひとりの個性を尊重することで、
よりよい関係を築くことができます。
人間対人間として。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました!
トーイ
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